特定技能申請で求められる追加資料――現場で本当に多い二つの理由
特定技能の申請をしていると、追加資料を求められることがよくあります。
珍しいことではありません。むしろ、ほとんどの現場で一度は経験すると思います。
理由もだいたい決まっていて、ひとつは「本人のサインがないこと」、もうひとつは「納税・課税・源泉徴収票の年度が一致していないこと」です。
これは入管の担当者の方からもよく聞く話ですし、私自身の実務でも本当によく見かけます。
まず、本人のサインがないというのは単純ですが、とても重要な問題です。
特定技能の書類は、外国人本人が内容を理解し、同意したうえで契約していることを証明するためのものです。
そのため、本人の直筆の署名が欠けていると、入管は「本人の意思確認ができていない」と判断します。
雇用契約書や支援計画書、雇用条件書などに共通する話ですが、印字や代筆では認められません。
必ず本人が自分の手で書く必要があります。
たったそれだけのことですが、それが信頼の証になります。
私はいつも企業の担当者様にお伝えしています。
「サインがあるかどうかは、形式ではなく姿勢の問題です」と。
内容がどれだけ正確でも、署名がなければ補正になります。
入管が厳しいからではありません。
書類が“本人の意思を示す証拠”である以上、署名がなければ証拠として成り立たないからです。
次に多いのが、年度の不一致です。
課税証明書、納税証明書、源泉徴収票——この三つの年度がそろっていないケースは非常に多いです。
たとえば課税証明書が令和6年度、納税証明書が令和5年度、源泉徴収票が令和4年度というような組み合わせです。
この場合、どの年の所得や納税状況を確認しているのかが分かりません。
転職をしている方ですと、源泉徴収票が複数あり、合算していないため金額が一致しないこともよくあります。
入管はこうした不整合を非常に嫌います。補正の対象になります。
実務での対応はシンプルです。
三つの書類の年度をそろえること。
納税証明書は「未到来0円」であることを確認すること。
転職がある場合は、源泉徴収票を合算した一覧を添付すること。
これだけで、ほとんどの補正は防げます。
入管の担当者の方も、「この二つ(サイン抜けと年度不一致)で全体の七割は補正になります」と言っていました。
まさにその通りだと思います。
特定技能の審査で大切なのは、書類の整合性と、実態との一致です。
署名があり、年度がそろい、業務内容が制度に沿っている。
この三つがそろっていれば、入管の審査はスムーズに進みます。
どれか一つでもずれていれば、補正や不許可のリスクが一気に高まります。
私は常に、書類は“形式”ではなく“信頼を示すもの”だと考えています。
一枚の契約書に本人のサインがあるかどうか、それが企業の誠実さを表します。
年度が整っているかどうか、それが管理の丁寧さを表します。
入管は、書類そのものよりも、その姿勢を見ています。
特定技能の制度はまだ新しく、そして年々審査は厳しくなっています。
しかし、丁寧に準備された申請は確実に評価されます。
小さな確認の積み重ねが、結果につながります。
細部をおろそかにせず、誠実に対応すること。
それが行政書士として、また受入れ企業として最も大切な姿勢だと思います。

