ミャンマーのパスポートと在留資格の違いに注意
ミャンマーの方の在留資格手続きをしている中で、最近あらためて気づかされた点があります。それは、ミャンマーのパスポートには「発給時に想定されている渡航目的」があり、日本で取得しようとする在留資格と一致していないと、手続きが途中で止まることがあるという点です。日本の感覚だけで考えていると、見落としやすい部分かもしれません。
例えば、現在は親族訪問や短期滞在を想定した「訪問ビザ」で来日している方を、日本語学校への入学を前提として「留学」で呼び寄せたい、というケースがあります。この場合、日本側で行う在留資格認定証明書(COE)の申請自体は、現在所持しているパスポートが訪問目的で発給されたものであっても、直ちに不許可になるとは限りません。必要書類が整っていれば、通常どおり「留学」のCOEが交付されるケースも多くあります。
しかし、問題になりやすいのはその先です。COEが交付された後、ミャンマー国内で査証(ビザ)申請や出国手続きを進める段階で、「このパスポートは留学目的での渡航には使用できない」と判断され、パスポートの再発給を求められることがあります。見た目は同じパスポートでも、ミャンマー側では発給時の用途区分を重視して運用しているため、日本での在留資格が「留学」であるにもかかわらず、訪問目的で発給されたパスポートのままでは手続きが進まない、という事態が現実に起こり得ます。
この点を知らずに進めてしまうと、「COEが出たから安心していたのに、結果的に来日できない」「入学時期に間に合わない」といったトラブルにつながりかねません。日本の入管手続きだけを見ていると、「COEが出た=来日できる」と考えてしまいがちですが、ミャンマー案件の場合はそれだけでは不十分なことがあります。
実務上は、まず日本側で留学のCOE申請を進めつつ、並行して現在所持しているパスポートで留学目的の査証申請や出国が可能かどうかを確認し、必要に応じてパスポートの再発給が必要になる可能性があることを、申請人や経費支弁者、日本語学校にもあらかじめ説明しておくことが重要です。特に入学時期が決まっている留学案件では、パスポート再発給にかかる期間も考慮したスケジュール管理が欠かせません。
ミャンマーの方の在留資格手続きは、日本の入管要件を満たしているだけでは足りず、ミャンマー国内の運用や実務も踏まえて全体を設計する必要があります。パスポートの発給目的と在留資格の関係は、その代表的なポイントの一つです。こうした点を事前に把握し、適切に案内することが、結果的に申請人にとっても、受入機関にとっても安心につながると感じています。

